【家計相談】やはり車は贅沢品である。
どうも。サラリーマンFPのひろのりです。
ネット記事の家計相談の事例より、自分ならどんなアドバイスをするかな?というのをやってみたいと思います。
初回の今回はヤフーで見つけたこの記事からです。
【相談者の悩み】
2人目を授かったときに、職場が遠かったこともあり一旦仕事を辞めました。すぐ働きに戻るつもりでいたため、その後も私の収入があったときと変わらぬ生活をしていました。今まで家計簿をつけたこともなく、使いすぎているのかどうかもよくわかりません。4月から派遣社員として働きに出ることが決まり、収入がある程度戻るので大丈夫かなと思っているのですが、貯蓄が減っていくばかりで手元にお金がないと不安です。子どもが小さいうちはお金がかかるのが普通と思っていて大丈夫でしょうか?
目次
状況確認
まず大事なのは状況整理ですね。
〈相談者プロフィール〉
・女性、41歳、既婚(夫:42歳、会社員)、子ども2人(7歳、4歳)
・職業:専業主婦(4月から派遣社員)
・手取り世帯月収:40.5万円
・手取り世帯年間ボーナス:210万円
※ うち90万円は住宅と車関連の支払いに当てている
プロフィールから情報を読み解いていきましょう。
まず小学生と幼稚園の子供がいるご家庭です。そして、相談者さんは4月より派遣社員として復職するようです。
現状は専業主婦ということですから、収入は旦那さんのお給料ということでよさそうです。
手取り月収40.5万円ですから、額面は55万円弱といったところでしょう。また、手取りボーナス210万円ですと、額面260万円強でしょうか。
旦那さんの年収は55万円×12か月+260万円=820万円ということになりますね。
40代男性の平均年収は約580万円ですから、比較的恵まれているご家庭といえるでしょう。
資産と支出
【資産状況】
・預貯金:140万円
・住宅ローン残債:2000万円
(ボーナス返済あり)
・自動車ローン残債:350万円
【支出の内訳(48.45万円)】
・住居費:6.8万円
(ペアローン:夫5.2万円、妻1.6万円)
・保険:5.3万円
・教養・教育費:5.2万円(幼稚園など)
・通信費:1.25万円(スマホ2台)
・自動車:7.9万円
(ローン5.8万円、ガソリンなど)
・食費:6.4万円(外食費含む)
・水道光熱費:2.1万円
・日用品:1.4万円
・趣味・娯楽:0.5万円
・衣服・美容:0.8万円
・健康・医療:1万円
・交通費:0.8万円
・小遣い:7万円(夫5.5万円、妻1.5万円)
・使途不明金:2万円
つっこみどころはこんなところでしょうか。
- 手元の現金が少なすぎる
- 保険は最低限に
- 自動車費は最大の問題
- 通信費・食費・光熱水費はまあ妥当
- 日用品・趣味・衣服・健康・交通費は見直しが必要
- 夫小遣いは内容によっては見直しが必要
- 使途不明金は絶対ダメ
とりあえず順番に見ていきましょう。
1.手元の現金が少なすぎる
預貯金140万円というのはちょっと苦しいですね。いざという時のために、半年分の生活費程度の現金は手元に欲しいです。このご家庭の場合は約300万円程度の預貯金があった方がよいと思います。
現状月8万円ずつ貯蓄を取り崩しているということですから、家計は黄信号状態です。このままいけば危険信号になりかねません。
2.保険料は最低限に
まず保険料から見ていきますが、基本的に保険には入らなくて良いです。
ただし、お子さんがいるので、最低限の進学費用分の生命保険には入ってもいいでしょう。ほかの医療保険などはすべて解約してよいです。
ほかには自宅用の火災保険と自動車保険には入ってもよいでしょう。
概算ですが、夫の生命保険死亡保障3000万円で月1万円程度、妻死亡保障1000万円で月4000円程度、火災保険と自動車保険がそれぞれ5000円程度といったところでしょう。
合計2.4万円までは削れそうですね。
3.自動車費は最大の問題
月7.9万円はちょっとあり得ないですね。自宅なので駐車場代はないでしょうけど、ローン残債350万円って何買ったんでしょうね。車好きの旦那さんなのかな?
おそらく月々の返済額からみて500万円くらいのローンは組んでそうですね
買ってしまったものは仕方ないですが、正直即座に手放してもよいかなとも思います。車をどうしても維持したいなら、これはもう食費と小遣いを見直すしかないですね。
次の車を買うときはもう少しグレードダウンせざるを得ないでしょう。
4.通信費・食費・光熱水費はまあ妥当
スマホ2台で1.25万円、4人家族外食込みで6.4万円、光熱水費2.1万円はとびぬけて高くはないのでまあ妥当でしょう。
ただし、車を手放さないのであれば外食を控えるなどして、食費を1万円程度は抑える必要がありそうです。
5.日用品・趣味・衣服・健康・交通費は見直しが必要
このこまごましたところはちょっと怪しいです。妻の小遣いの範疇で買うべきものが入っている可能性もありそうです。
家族全体の費用とそれぞれ個人の費用は分けた方が管理しやすいです。
6.夫小遣いは内容によっては見直しが必要
1万円くらいは我慢してほしいですが、昼食が弁当かどうかで変わりますね。弁当であれば2万円くらいは我慢していただきましょう。
7.使途不明金は絶対ダメ
基本中の基本です。家計簿もつけていなかったようですから仕方ないとも言えますが、家計簿をつけるのが苦手であれば、できれば引き落とし口座は一つにまとめ、クレジットカードも1,2枚にしましょう。また、クレジットカードを使用する場合は家族カードを活用し、お互いの明細がわかるようにしておくことが大切です。
給料振込口座にすべてまとめるのも一つの手です。
見直しの結果
- 保険見直し:保険5.3万円→2.4万円(△2.9万円)
- 外食減:食費6.4万円→5.4万円(△1万円)
- 夫小遣い減:小遣い5.5万円→4.5万円(△1万円)
- 使途不明金はなくす:使途不明金2万円→0円(△2万円)
これで6.9万円の見直しです。あと1万円は日用品費等の見直しか、小遣いを5千円ずつ減らして何とか達成といったところでしょう。
相談者さんが派遣社員で働くようですから、手取り15万円程度と考えて、月10万円くらいは貯蓄に回していきたいところです。
いずれにしても車は背伸びしすぎですね。そのせいで年収800万円超の収入があるにも関わらずカツカツどころか赤字で、このままだと教育費も全く捻出できないでしょう。
一般的には小学生までが教育費の貯め時と言えますから、ここから月10万円+ボーナス100万円で年200万円くらい貯めていければ間に合うかな。
まとめ
まず簡単に仕事を辞めないこと。派遣社員は常に契約更新されないリスクを抱えて働くことになります。その時点でまた赤字になるようだとあっという間に教育資金の計画が崩れます。
また、車は必要最低限にするべきです。趣味を兼ねている場合もあるのでなんとも言えませんが、とにかくお金の面からするとしっかり資金計画を立ててからにしないとせっかく買った車を手放す羽目になるかもしれません。
最後に保険は入らなくていいです。とくに子供がいない場合には全く不要と言えるでしょう。保険についてはまたの機会に詳しく書いていきたいと思います。
以上、お読みいただきありがとうございました。