年収と貯蓄は関係ない!?そんなわけないでしょ
どうも。サラリーマンFPのひろのりです。
今日はこんな記事をみつけて気になったので、年収と貯蓄の関係についてちょっと調べてみました。
こちらの記事は金融広報中央委員会のこちらの家計調査をもとに書かれていますが、
家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 平成30年調査結果|知るぽると
主張はこんな感じで締めくくられていました。みなさんはこれを読んでどう思われるでしょうか?
年収が多いから貯蓄が多いわけではない
ここまで見てきたように、ストックである貯蓄をベースに「お金持ち」と定義する場合に、年収が多いからといって必ずしも「お金持ち」ではないということが分かりました。
目次
速攻で疑問が、、、
ふーん、年収が多いから貯蓄が多い=お金持ちであるわけではないのか、、、ってそんなことある?普通に考えたら年収が多ければ貯蓄も多くないですか?
まあ中には、年収が多くても消費も多くてあまり貯蓄できていない人もいるでしょうけど、一般的には年収が高ければある程度金融資産もありますよね?
一応記事には数字も出てるし、元の調査もしっかりしてそうだし、なんだかしっくりこないなあ、そう思って調査結果に直接あたってみました。
調べた結果
結論:年収が高いほうが貯蓄も多いです。以上。
まあ当たり前のことでしたね。面白くもなんともない結論ですが。
念のため公開資料より抜粋したデータも載せておきます。黄色網掛けにした部分を見ていただければおわかりいただけると思いますが、金融資産非保有世帯の割合は年収が高くなればなるほど減っていきますし、金融資産が3000万円以上の割合は基本的に年収が高くなればなるほど多くなっています。
平均と中央値についても、年収が高くなれば金融資産が多くなるという傾向がみられますので、間違いないでしょう。
ちなみにこの記事では、こんなことが書かれています。
年収1000万でも貯蓄がゼロの世帯もある
先ほどから見ているように、「年収が多いからといって必ずしも貯蓄が多いのではない」ということが分かります。
では、年収が1000万円超でも貯蓄がない人がいるのでしょうか。
これが不思議に思われる方もいるかもしれませんが、実際にはいます。
では、どれくらいの比率で高年収世帯で貯蓄ゼロ世帯がいるのでしょうか。
今回の調査で、年収が「1000万円以上1200万円未満」の世帯で金融資産を持たない世帯は全世帯のうち0.3%います。
また、年収が「1200万円以上」の世帯で金融資産を持たない世帯が0.1%存在します。
こうしたけーすでは、まさにフローの年収は多いけれども、ストックである金融資産がない世帯です。
(原文ママ)
いえ、どう考えても年収が多いほうが貯蓄が多いです。
確かに金融資産を持たない世帯もあることは確かですが、例外的事例を持ってきて上記の主張をされるのはミスリードかな、と思われます。
補足すると、この調査では、金融資産として下記のように調査票に注意書きがしてあるようです。
『定期性預金・普通預金等の区分にかかわらず、運用の為または将来に備えて蓄えている部分とする。ただし、商・工業や農・林・漁業等の事業のために保有している金融資産や、土地・住宅・貴金属等の実物資産、現金、預貯金で日常的な出し入れ・引落しに備えている部分は除く』
(下線部追記)
つまり、農林水産業に携わっているか、自営業を行っている方で、高収入でも事業のための貯金が主である場合、また、不動産を多く保有しており、家賃収入はあるが現金は多く持っていない場合も「金融資産ゼロ」と回答することになります。
こういったことも考えられるため、額面通り金融資産ゼロという回答を字義通り無一文的な解釈としては受け取れないでしょう。
まとめ
「年収が高い=貯蓄が多い」という記事では当たり前すぎて記事にならないでしょうが、明らかに間違った解釈をするのはやめたほうが良いのではないでしょうかね。
以前の記事、
でも書きましたが、節約には収入以上の貯蓄はできないという限界があります。
よって、貯蓄を増やすための第一優先は収入を増やすことにほかなりません。
もし貯蓄を増やしたい、また家計を安定させたいのであれば、こんな変な記事に惑わされず、まずは収入を増やす方向でいろいろチャレンジしてみるのが良いのではないでしょうか、というのが私の結論になります。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。