【家計】老後のためにいくら必要なのか?
どうも、サラリーマンFPのひろのりです。
老後資金については、いったいいくら用意すればよいのでしょうか?
中には1億円!!なんていう主張もあったりして、不安になってしまいますよね。
この20代のアンケート調査を見ても、若い世代でも8割近くの人が老後や将来の不安のため貯金をしているそうです。
毎月の貯金額5万円は多い?少ない? 20代のお金事情を調査! | おいしさ発見メディア「furi-kake(フリカケ)」
数千万とも1億とも言われる老後資金について、いったいいくら用意すればいいのか、考えていきましょう。
目次
まずは一般的な意見から
FPなどが相談するときに、一般的に使われている数字についてみていきましょう。
基本的には総務省の家計調査報告が使われることが多いです。
この調査によると、高齢者世帯の年金等の平均収入が約19万円、平均支出は約27万円と月々不足する金額は約8万円、年間で約96万円となっています。
平均寿命は男性81歳、女性87歳くらいですから、60歳で定年を迎え、老後が25年と考えれば
96万円×25年=2400万円
これに住宅のリフォームや自動車購入、入院などの臨時的な費用を考えて約3000万円が必要である、としたものが多いです。
これをベースにして、人生100年時代だから
96万円×40年=3840万円
で4000万~5000万は必要だ、としてみたり、他には
公益財団法人の生命保険文化センターの「生活保障に関する調査」より、ゆとりある老後生活を送るために必要だと考える資金の月35万円というものを使用すると月の不足額が16万円、年間では192万円、さらに人生100年だと考えて、
192万円×40年=7680万円
老後にバリアフリー化など大規模リフォームをすることも視野に入れると、老後に安心できるのは1億円などということもあります。
実際どうなの?
この説明でもわかっていただけるかと思いますが、これはすべて統計調査などの平均を使って試算したものにすぎません。
当然ですが、実際に必要な資金はすべて各家庭で違います。
例えば、今は晩婚化が進んでいますから、40代半ばで子供を持つご家庭もあるでしょう。
すると、教育費が老後まで必要になってきますから、このような試算に教育費を上積みしないといけません。
逆に、定年がなく働ける仕事であれば、70歳でも現役で働くことも十二分に可能です。
その場合、月10万でも働くことができれば、極端な話老後資金が1000万円程度でも間に合うこともあるでしょう。
また持家と賃貸でも全く違ってきます。結局のところケースバイケースとしか言いようがないのです。
例えば、我が家の場合
それでは我が家を例にして今の家計から老後資金を試算してみましょう。
30代前半共働き夫婦と子供1人の3人世帯の場合
- 家賃7万円
- 小遣い6万円
- 通信料2万円
- 生命保険1万円
- 光熱水費2万円
- 食費(外食込)・日用品費7万円
- 保育園5.5万円
- その他1万円
- 合計31.5万円
すごくざっくりですが、こんな感じです。
単純に保育園代がなくなるとして考えましょう。すると、月26万円で今と同じ生活ができるということです。
一方、共働きで定年まで勤めるとすれば、二人とも厚生年金がでるため、65歳からは一人15万円づつ、計30万円は年金が出るはずです。
定年延長で65歳まで働けば老後資金は不要、ということになります。
まとめ
老後資金の計算については、あくまでも統計調査をもとにした試算にすぎないということを踏まえておきましょう。
やみくもにいくら必要という数字だけに注目せずに、自分の家計を把握して老後の設計をすることが大事です。
また、基本的には老後に収入を増やしていくというのは難しくなってきますので、日ごろから家計のムダを省き、収入が減ったとしても耐えうるようにしておくことも大事になってきますね。
最後までお読みいただきありがとうございました。少しでも参考にしていただければ幸いです。
【保険】変額保険で積み立て?損をしたい方はどうぞ
どうも、サラリーマンFPのひろのりです。
本日はこんな記事
を見つけたので、最近人気らしい変額保険について書いていきたいと思います。
しかしこの記事、「しっくり来る?」という何が言いたいか意味不明なタイトル、そして中身は積み立てNISAと変額保険の比較くらいしかしていなくて中身スカスカですが、こんな記事で出してしまって大丈夫なのでしょうかね?
話がそれましたね。余計なお世話でした。本題である変額保険に話を戻しましょう。
目次
そもそも変額保険とは
まずは記事を見てみましょうか。
そもそも「変額保険」とは、どのような保険なのでしょうか?
変額保険は生命保険の一つです。
生命保険に「定期」「養老」「終身」の3種類があるのはご存じだと思いますが、変額保険は「養老(=有期型)」と「終身」の2種類で、「定期の変額保険」はありません。
というように説明されてます。
いくつかの保険用語について補足をします。
- 定期保険:掛け捨て型の生命保険、10年間とか60歳までとか期限のある保険。期間内に死亡しなければ払い損となる。
- 養老保険:定期保険と同様期限があるが、満期時に満期保険金が出るもの。貯蓄性がある。
- 終身保険:一生涯契約が続く保険、自ら解約しなければ絶対に保険金を受け取ることができる。解約時には決められた返戻金があることが多いため貯蓄性もある。
そして「変額」の意味として、通常の保険では「死亡保険金は1000万円」のように決まった金額となりますが、この保険金(と解約時の返戻金)が運用結果によって変わりますよ、ということなります。
変額保険で積立ててみた
ネット上で具体的な金額が乗っているのはこちらだったので数字を借りてきました。
口座振替扱
被保険者の性別・契約年齢:男性・30歳
保険期間・保険料払込期間:35年
基本保険金額:1,000万円
月払保険料:19,130円の場合払い込み総額:8,034,600円
満期保険金(運用結果)
- -2.75%:379万円
- 0%:596万円
- 2.75%:1,000万円
- 5.5%:1,810万円
引用元:マーケットリンク | 変額保険 | 東京海上日動あんしん生命保険
満期保険金部分のみ筆者抜粋
こちらは、 死亡保険金1,000万円、30歳から35年間、65歳まで変額保険に加入する場合ですね。
月2万円弱の支払いですから、それなりに現実的ではありそうです。
肝心の変額部分を見てみましょう。
払い込み総額が約800万円です。
それに対し、運用が0%だと受け取れるお金は約600万円となってしまいます。
一方5.5%で運用できれば約1800万円に増えています。2倍以上ですね。
これが「変額」の意味ですね。
さて、みなさんはこの保険に入りますか?
確かに運用結果が良ければ2倍以上に増えて帰ってくるわけですから、そんなに悪い保険でもないんじゃないの?って思うでしょうか。
それでは次に、普通に積立てた場合と比較してみましょうか
普通に積立てた場合と比べてみる
ただの積立てだけの場合、死亡保険金がありませんから、定期保険+積立てということで考えていきましょう。
上の条件と同じ30歳から35年間、死亡保障1,000万円で定期保険に加入してみましょう。
シミュレーションの結果月額2,530円でした。
こちらは東京海上日動さんにはシミュレーションがありませんでしたので、アクサダイレクトさんのHP掲載のものを使用しました。
残りを貯蓄として積み立てるわけですから
19,130円-2,530円=16,600円
これだけ積立てていきましょう。
35年間積立てるわけですから、積立総額は16,600×12×35=6,972,000円ですね。
まずこの時点でお気づきの方もいるのではないでしょうか?
変額保険、運用結果0%の満期保険金は596万円でしたよね?あれれ?
一応他も確認しましょう。月16,600円を運用した場合の結果です。
- -2.75%:4,514,071円
- 2.75%:11,476,908円
- 5.5%:19,969,999円
もうおわかりのことと思いますが、どのパターンでも変額保険よりも圧倒的に有利です。
まとめ
改めて表にまとめるとこんな感じになります。
運用結果がどうであれ、100万単位で保険会社に貢ぎたいという奇特な人を除いて、普通の人が変額保険に入るメリットは一つもありません。
ある意味、変額保険を勧めてくる人がいたらその人は信用してはいけないという指標には使えるかもしれません。
すでに入ってしまっている方、今すぐ払済み保険でも変えるか、高い勉強代だったと思って解約しましょう。
また入っていない方は、どんなに勧誘されても絶対に入らないようにしましょう。
残念なことですが、調べれば調べるほど、保険についてはこちらの過去記事
のとおり、「保険に入ってはいけない」という結論にしかならないのです。
保険というぼったくりの被害にあう人が一人でも少なくなることを望んでやみません。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。少しでも参考にしていただければ幸いです。